キリマンジャロのアホ


序章:日常に不足したもの

本編:キリマンジャロのアホ
後記:登頂したい人たちに

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2000.09.17
敵の姿

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ホテルに余分な荷物を預け、バスはスタートした。
クルマは徐々に標高を稼ぐ。

ナイロビの標高は約1,500M。モシは約900Mだ。
バンコクまでの全日空機の機内は約1,600Mに相当する気圧に調整されていた。
バンコクからドバイ、そしてドバイからナイロビまでのエミレーツ航空機は約2,100Mに相当する気圧に調整されていた。
マラングゲートは約1,800M。
一気に上がっても問題が起こるはずはない。

多くの日本人やアメリカ人が好むこのマラングゲートから入るルートは、「マラングルート」と言う。またの名を「ポレポレ(スワヒリでゆっくりの意)ルート」、「コカコーラルート」と呼ぶらしい。

マラングゲートまでの道中、突然雲が晴れた。
日本を出発して4日目の朝、やっと敵の姿を確認することができた。
敵は、雪に覆われ、恐ろしいほどの標高を我々に見せつけた。

敵の姿を見つめるている我々。
その横を通り過ぎる近所の小学生達にカメラを向けると、恥ずかしそうに笑った