キリマンジャロのアホ


序章:日常に不足したもの

本編:キリマンジャロのアホ
後記:登頂したい人たちに    

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2000.09.20
下山をなめてはいけない(キボ・ハット→ホロンボ・ハット)

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キボハット〜ホロンボハット間は何せ距離が長い。
しかも、深夜から極限の運動をした後に歩く。
あまりにも眠たい私は、とうとう両目を閉じて歩き出した。
道から外れたときは、後ろのフクちゃんが「違うよ!」と言ってくれることになっている。

そのような状態でも、すれ違う登山者に声を掛けられたときは、大げさに話をする。
「やったか?」
「おお、やったとも」「もはや誰も俺たちを止めるものはいないのさ、ベイビー!」
ってな具合だ。
アウトドアを楽しむ事に関して言えば、ピーク・ハンティングなどむなしいものだ。
今回だって、ピークにいたのはたったの6分だ。
しかし、今回私は初めてピーク・ハンティングを経験した。
下山する間は、自慢しても良いのだろう。
そのことが、今登っている登山者への励みになれば・・・。

ふと、一際大きな荷物を頭に載せたポーターが登って来る。
荷物はあの緊急搬送用の一輪車だ。
なぜ、あんな重そうなものを頭に載せているのか?
一輪車なのだから、押せばいいのではないか????
とりあえずそのタフガイには、「ハロー」と言っておいたが、今度あったときには手押し車は押したほうが楽なことを教えてあげよう。

さて、下山中はすっかり呼吸法を採るのを忘れていた。
したがって、私は下山すればするほど、胃がむかむかしてきた。
ドーネンも、同じだ。
この日の道は上りも数箇所ある。

胃のむかつきを我慢しながら、ホロンボハットに到着したのは、PM 16:00ころだっただろうか。