キリマンジャロのアホ


序章:日常に不足したもの

本編:キリマンジャロのアホ
後記:登頂したい人たちに    

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2000.09.18
山は気合だ!

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ホロンボハットに着いて、暖かい紅茶をたっぷりと飲む。
小屋の中で、濡れた服や荷物を、各々の方法で広げて乾かす。

しばらくすると天候は回復した。
私と神様とドーネンは、高度順応に出かけることにした。
ホロンボハットからの急なのぼりを少し進むと、ルートは2手に別れる。
我々は、下の道を選択した。
時間をかけながらゆっくりと登る。

山の素人である私は、神様の話が参考になる。
心拍数はどの程度まで上げて良いか?
自分のやってきた2ヶ月のトレーニングは有効なのかどうか?
山での経験談などである。
それが、全ての人に当てはまるかどうかは別として、少なくとも私には参考になった。
私は、自分の決意を彼に伝えた。
「私は絶対にあきらめる気がない」事を。

ロッジでビールを飲みながら、凍傷で指と耳の一部を失った、酔っ払いの神様の目が光った。
「ZAKIさん、山は気合だ」
その時、私には妙に彼の言葉が納得できるものだったのである。
きっと私も酔っていたのだろう。