キリマンジャロのアホ


序章:日常に不足したもの

本編:キリマンジャロのアホ
後記:登頂したい人たちに    

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
2000.09.20
高山病

戻る 進む  メニュー

高山病は、それぞれの弱点を刺激するようだ。
私は、前日の睡眠不足がたたり、ともかく眠たい。
神様は、前日の飲酒がたたり、酔っ払ったような症状だ。
節制を続けていたご隠居も、さすがに息苦しいようだ。
ドーネンだけは、ここまで大きな問題はないそうだ。
当然、みんな呼吸法を採っている。
この日、一番深刻な症状が出たのは、意外なことにヒマラヤ経験者の神様だった。
本人は、「大丈夫。大丈夫。」と言うのだが、足元がふらついているようだ。
フクちゃんと行動していたトーマスが、アリとフクちゃんの下山開始を確認して我々のところまで、追いついてきた。
フクちゃんも、彼女の目標であるギルマンズを達成できたらしい。

AM 9:00 ギルマンズまで戻り、給水を採る。
トーマスが神様に向かって、「水筒はないのか?」と聞いているが、神様は「水はないがウイスキーならあるぞ」と赤い水筒を取り出すので、「ウイスキー・マン、ウイスキーは下山してから飲め」とたしなめられる。
実は私も、神様がウイスキーを持ってくることを予想して、ビーフジャーキーを持ってきていたのだが・・・
ところで、神様のウイスキーは「サントリー・角」である。
こんなに苦労してウイスキーを持ってくるのだから、もう少し高いのを選んでもよさそうなのだが、そんなところに気負いがないのが神様らしくていい。

AM 9:10 ガイド2名が神様の両腕を抱えてギルマンズを出発だ。