序章:日常に不足したもの 本編:キリマンジャロのアホ 後記:登頂したい人たちに
ケニアの出国も、タンザニアの入国も簡単だ。 ケニア側では、マサイの土産物屋に取り囲まれたり、怪しい両替商が寄ってきたりと気が抜けないのは当然として、タンザニアに入るといきなり商人たちの姿が無くなる。 車窓からも、緑の風景と、砂漠化した風景が入り混じる。 アリューシャでは、キリマンジャロのガイドのエージェント達が押し寄せてきた。 「コンニチワ」「コンバンワ」と知る限りの日本語で話し掛けてくるのだ。 「ガイドは手配済みか?」「どこの会社だ?」と言った具合だ。 ここで、「まだ決めていない」などと言った物なら、押し寄せるエージェント達の間で暴動が起きる。 実際、どこかの外国人が口を滑らせ、エージェントがドッと押し寄せ危険な状態になってしまった。 さて、モシのホテルには、こうして何とか到着したのである。