練習が開始されたが、それは違和感のあるものだった。
到着した選手は、座席ではなく船縁に着座し、力を込めて漕ぎ始めた。
ニヌハ2の操縦性は、これまで沖縄選手とテストを繰り返してきた艇とは思えないようなジャジャ馬に変貌した。
漕ぎ手の選手は、この位置だと力を入れやすい。
しかし、ニヌハ2はその前提で設計されていない。
選手の力は推進力にならず、バウ(船首)を上下させ、重心の高くなった船体は横風を嫌った。
また、高くなった選手の頭をクリアするように、帆の高さもさらに揚げなくてはいけない。
重心はさらに高くなった。
写真上は、2006年のレース時。艇が水の上を滑っている。
そして、写真下がローリングを繰り返す現在の姿だ。
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