船名 ニヌハ2
船名の由来 沖縄の言葉の「ニヌファ星」(北極星)から命名
建造 新城サバニ造船場(石垣島) 新城康弘
改造 沖縄カヤックセンター 仲村忠明
オーナー 株式会社グラント 山崎元彰 
進水 2005年6月12日
全長 6m90cm
全幅 1m20cm
構造的特徴

「サバニ大工」新城康弘氏による通しカーラ(船底を1本の材で作成するもの)の1号艇。
旅をするためのサバニとして、上陸のしやすさを追求し可能な限り軽く作成された。

2005年の特徴

進水式では、帆柱を立てただけでひっくり返った。
また、舵を使わずにエイクでコントロールする構造としていたが、ウェザーヘルム(風上を向く特性)が強く、直進させるだけでもエイクに強大な力がかかり、コントロールが困難と判断した。
ウェザーヘルムを消す方法として、ニヌハ1号との組舟とし、ラダーを装着。
アビーム(横風)により、激速・鬼速で走りだす構造になった。
しかし、本体から発生する曳き波が大きく、5ノット以上出るとアウトリガーが水没する欠点を持つ。

2006年の特徴

浮力の少ない小型のアウトリガーに変更された。
帆の性能が向上し、270度方向の自由を得ることになった。
激論の末、着座位置が下げられ、ニヌハ2はより明確に古式サバニへ近い方向へ向かうことになった。
最高速度は6ノットに向上。

2007年の特徴

船体を削り込むことにより、形状の変更を行った。
これにより、本体から発生する曳き波が激減した。
座席位置はさらに下げられ、よりアウトリガーに頼らない構造に変更された。
ラダーはフリップ式に変更し、よりエイクを模した形状に近づけた。
帆の性能も限界近くまで向上しているものと思われる。
最高速度は10ノットが可能と思われる。
この改良をもって「完成型」を宣言した。

  2005年 進水式の風景。
真新しい船体に期待が膨らむ。
しかしこの後、船をまっすぐ走らすこともできずに、湾内を迷走する事になった。
  2005年 レース前のキャンプ。
横風を受けて巨大なアウトリガー(ニヌハ1)を持ち上げながら、渡嘉敷島を目指して快走する。
 

2006年 レース中の風景。
浮力の少ないアウトリガー、そして低い着座位置。
サバニ本体に乗っている。
それが、ニヌハの伝統だ。

 

5mを超える波の中を、奄美大島へ向かう。
レースだけではない、旅サバニの証。
写真はラダーの能力を超え、エイクで直進を保っているところ。

  2007年 船底の洗浄。
レースは準備段階から始まっている。
 

ラダーの能力UPのため、レース直前に新設計されたフリップ・ラダー。
より水圧の高い深度の水を斬ることができる。
浅瀬にも侵入でき、まるでエイクを操作するように効果がある。

 

 

今年用意した帆柱は、柔らかすぎてどうにも風を掴むことができない。
その、練習中に帆柱が折れた。
急遽、手に入れた帆柱はなんと「ヒノキ」。
しっかりと風を捉える印象だ。
香りまでよろしい。
天運が味方している。

 

船体を削った後、ワトコで表面を仕上げた。
鮫の脂を使うのが本来の姿だが、現代の良いものは使う。
それもニヌハのやりかただ。

  前年よりさらに低くなった着座位置。
安定性を増すことにより、帆により多くの風を入れることができる。
昔の漁師のようにエイクを回すことにより、必ずしも苦しい漕ぎ位置ではない。



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