正直言って今年の参加は、不可能だと思っていた。
ボスの仲村氏の参加が不可能だったからだ。
すっかり諦めていたところに、伊東画伯からの電話があった。
「出よう!」その一言の、輝きと熱意で僕も決心した。
早速、ホーボー氏を始めニヌハにゆかりの深い人たちをクルーとして緊急招集した。
「仲村氏の代わりに誰が舵を握るのか?」ホーボー氏の疑問に反射的に答えてしまった。
「僕がやる」
昨年のレースの後、ヨットスクールで学んだ。
サバニが風で走る理論を知りたかったからだ。
厳しいトレーニングの中では、この慶良間での航海も経験した。
今年は僕が舵を握ることは漠然とは理解していたが、決断したのはその瞬間だった。
俺たちは、今年も古座間味に集結した。
2006年7月2日、午前8時。
多くの思いを乗せて、ニヌハ2世号はスタートした。 |