2005年6月 ドラマを求め、あの仲間たちが集る
梅雨明けに吹く南風(カーチベー)を受けて、美しい古座間味の浜から那覇を目指す。
2000年に始まったサバニ帆漕レースは、今年で6回目を迎える。
サバニは沖縄伝統の小型漁船だ。
今では船体の材質がFRPとなりエンジンも積まれているが、トラディショナルな帆かけサバニを復元し文化を伝承することが、このレースの大きな目的でもある。
2004年。俺たちは小さなニヌハ号(ニヌハは北極星の意)で出場した。
そして俺たちは帆(フー)に風を受け、カーラが波を割って走るサバニの美しさを知ってしまった。
外洋の波をかわし驚くほどのスピードを出す、このフォルムの意味の片鱗を感じてしまった。
サバニには、まだまだ知らない海人(ウミンチュ)の英知が凝縮されている。
俺たちはその謎を解くために、今年も古座間味に集る事にした。
2005年6月26日。
スタート前の鼓動の高鳴りを聞きたければ、古座間味に来るといい。
今年は、新たに6m90cmのニヌハ2世号を建造した。
5m20cm小さなニヌハ号から見ると、大幅なサイズアップだ。
新艇の建造は、石垣島のサバニ船大工 新城康弘氏に依頼した。
依頼内容には、数々の「注文」を付けた。
そしてついに、美しい船体が完成した。
しかし、サバニというものは吊るしのまま走るような代物ではない。
乗り手の徹底したこだわりと、多くのカスタマイズによって完成へと導くのだ。
古座間味の浜で、こだわり抜いた美しい船体を見たならば、それがニヌハ2世号かもしれない。
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