--- 源流を探せ ---

2007.03.10

日本酒の会の海上に到着。
場所は、飛騨宇津江四十八滝の下流だ。
何年もここに通い詰めているが、そう言えば滝を見たことがなかった。
仲間を連れて、雪の残る四十八滝を歩くことにした。

入り口の寝牛岩
不動明王が祀られる函滝
18.8mの落差がある王滝
酒を注ぐかのごとく・・・?
銚子滝
上から覗き込むのも迫力がある
倒れた木が道のように見える
展望台からの風景
この時期、何も装備せずに進むのは、
このあたりまでにしたほうが良さそうだ。



2007.03.11


皆よりも早く目覚めた僕は、雪の降る中を四十八滝の源流を探しに行くことにした。
装備は、フリースとジーンズ。そして、街用の手袋とMILLETのシューズだけだ。
雪を踏みしめながら林道を歩く。
林道は四十八滝の右側へと続いている。
今年の雪解けは早いので、ジープでアタックした跡はある
が、歩き易いわけではない。
体重移動に注意しなければ、毎回足が埋まるような雪質だ。
鹿の足跡だ。
僕が通る直前に鹿がいたらしい。
日照時間の短い方角では、雪がたっぷりと残っている。
この道がどこに繋がっているのか、地図も知識も無いが、
感覚だけで進む。
大丈夫、何とかなる。
こちらは日照時間の多い方角。
路面が暖まり、雪解けが進んでいる。
歩きやすいところは小走りで進もう。
途中の展望台。
天気予報も見ていないので、こういった場所で確認するしかない。
天候は不安定だが、激変することは無いと判断した。
道は集落に向かうと思われる方向(右)と、
さらに奥に進むと思われる方向(左)に分かれていた。
四十八滝の源流は左にしかありえない。
左のルートには、この冬に通ったジープの跡も、人の足跡も無い。

冷たい風の抜ける場所に出た。
フリースのジッパーを上げる。
雪がオーバーハングしている箇所がある。
誤って踏み抜けば谷底だ。

またしても道が分岐している。
道標はあるが、地名の知識が無いので役に立たない。
地形から判断して、谷に向かう道を選択する。
路面に雪解け水が流れはじめた。
この方向に川があるはずだ。
この流れが四十八滝に繋がっているとすれば、これが源流だ。
相変わらず倒木や落石が多い。
水の流れが小川になり、音が聞こえている。
道は比較的はっきりしているが、倒木が完全に塞いでいる。
既に何本の倒木を潜っただろうか。
雪は深く、スパッツを持っていないとつらい状況になってきた。
既に1時間40分を経過している。
雪の中としては、遅いスピードではないので、カロリーの消費も大きい。
小川が、明確に姿を現した。
風景も人の手の入ったものになっている。
おそらく、ここが四十八滝の上流になるのだろう。
しかし、ここから先は獣の足跡も途絶えている。
どれが、道なのかが判らない。
数百メートルをラッセルすれば、
おそらく歩ける場所に出れると思うのだが・・・

今回は装備の関係で、来た道を戻るしかなくなった。
簡単なコースでも、予備知識が無ければ冒険になる。
見たり聞いたり感じたりの状況と、
洞察力だけで前に進むことも楽しいものだ。
後で、詳しい地図を入手したら、正解かどうかが判る。
けっこう、楽しい朝でした。