--  地底探検/玉泉新洞 --

2006.03.17

沖縄には、洞窟探検家の憧れの場所がある。
瑚礁から生まれた洞窟「玉泉洞」。
そこは、観光洞の890mを歩くだけでも、充分に冒険をした気分になれる巨大な洞窟だ。
しかし、玉泉洞には玉泉新洞という非公開部分がある。
鍾乳石の成長の過程は様々であるが、ここではかなり珍しい形態のものも見ることが出来る。
今回、特別な許可をいただき入洞が実現した。
行程と装備を確認し、いざ出発!

観光洞からそれる地点は第1関門と呼ばれる。
素人には多くの鍾乳石の隙間に見えるが、この隙間に体をねじ込むと王国が始まるのだ。
地底を流れる川は、生物の形跡が全く無い透明な水。
しかし、私達が足を踏み入れた瞬間に泥水に変化する。
立って歩ける場所などほとんど無い。
暗闇の世界を、蛇のように、蜘蛛のように進む。
水没しそうな場所は、ヘルメットこじ入れる隙間もない。
ヘルメットを外し、上を向いて、鼻だけで息をして進むのだ。

幾つもの難所を進む。
体から立ち上がる水蒸気で、画像が白くなる。
ケイブパールが成長している場所を見た。
雪のように白く輝く鍾乳石を見た。
地底の世界は、非日常の連続帯だった。

クレバスのような裂け目を進む。
泥パックなどに使用する「クチャ」を発見。
さらに奥にはケイブパールを見ることが出来た。
しかしこの形は・・・?
水流に流されて、どこをどのようにここまで来たのだろう。
カタツムリの殻を核として、鍾乳石が成長している大変珍しいケイブパールだ。

次の難所は落差4mの滝。
3点確保しながら、フリークライミングだ。


エイリアンの巣のような洞内を進む。
霜柱のようにしたからにょきにょきと成長する鍾乳石を発見した。
通称「モヤシ」だそうだ。

ベーコンと呼ばれるひだ状に成長した鍾乳石の地帯に突入。
傷をつけないように、ヘルメットを外す。
懐中電灯の光が透けて、ベーコンが美しく輝く。

私達は、さらに上層の新洞に入り、ひたすら前進した。
途中、完全な形のケイブパールが確認できた。
そして、最深部のホールで休憩。
ここまで、約3時間
ここから先に興味があれば、
70mほど進めるそうだ。
ただし、岩を掻き分けながら片道1時間30を行く体力があれば。



帰り道も過酷な道のりが続く。
私達は、上層から下層に戻るために、高さ13メートルの壁を降りて時間を短縮させた。
美しいケイブパールを写真に収め、帰路を進む。
中腰、クライミング、水泳、ほふく前進。厳しい姿勢で5時間の運動!
無事帰着。
平均で6時間から8時間かかるコースだという。
5名のチームでは、相当に早いペースだ。
しかし、全身の筋肉痛、全身の打ち身、全身の擦り傷が痛む。
とても、海水に浸かる気分ではない。
明日からのカヤック旅はキャンセルしよう・・・^^!